日本の新札はヒマラヤから生まれている!
7月3日から新しいお札が発行されました!なんと20年ぶりの新札。
この新しいお札の原料、ミツマタがネパールのヒマラヤの麓で生産されているとご存じですか?
しかもネパールの東部、イラム地区で生産されているのです!
新しい円紙幣は数千キロメートルにわたる陸路と空路での何ヶ月にも及ぶ労働と輸送を伴う長く複雑な旅を経てきました。
「現金は日本経済の基盤であり、ネパールが日本経済に貢献したと本当に思います」と、日本政府のために紙を生産する会社、カンポウの社長、松原忠志氏は述べています。「ネパールがなければ、日本は機能しないでしょう。」
旅の始まり
紙幣の旅はエベレスト山への玄関口として長く有名だった町の近く、ネパールのヒマラヤ山脈のふもとから始まります。毎年春になると、ミツマタが咲き乱れ、丘陵地帯が黄色に染まります。この植物はヒマラヤ山脈に自生しており、その樹皮は薄くて耐久性のある紙を作るのに最適な長い強い繊維を持っています。
ミツマタの花が一面を覆うのだそう!きっと美しい風景が広がっているでしょうね
以前は日本国内で栽培されていましたが、生産は年々減少していると松原氏は言います。日本の紙産業は衰退の一途をたどり、紙の生産を担っていた村の生産者たちの数は年々減少してます。
少子化により悪化している日本の人口危機も、影響してます。ここでネパールの供給チェーンが登場します。
ネパールから日本へ
カンポウは1990年代に農民が井戸を掘るのを支援する慈善活動を通じて初めてネパールに訪れました。そして、山々に広がるミツマタを発見し、農民にその作物を栽培する方法を教え始めました。当初は少量しか生産されていませんでしたが、日本のミツマタの不足が明らかになるにつれ、カンポウとネパールの農民は生産を拡大し、円紙幣の主要な供給源となりました。
初夏に苗を植え、秋に枝を収穫し、その後数ヶ月間、蒸す、皮をむく、洗う、乾燥させるというプロセスを経て樹皮を処理します。原紙が冬に準備されると、ネパールの首都カトマンズに送り、インドの西部都市コルカタに運ばれ、そこから船で日本の横浜に運ばれます。
検査後、紙はさらに加工され、印刷され、小田原市にある国立印刷局で現金としてカットされます。
ネパールへの経済的影響
ミツマタの販売による利益は、ネパールのコミュニティに新たな収入源を提供し、カンポウのパートナービレッジに新しい施設やインフラの建設を支援し、脆弱な家族に新たな経済的安定を提供したと松原氏は述べています。2016年以降、カンポウは日本国際協力機構(JICA)からの援助資金を受けており、事業を拡大することができたと述べています。
新たな協力の章
ネパールのイラム地区からの最新のミツマタの作物は、日本に18万円(約1,114ドル)以上で販売され、地区内の6つの農民グループごとに約3万円(185ドル)の収益をもたらしました。
「最初は日本の援助として始まった活動でしたが、今では違うと思います。ネパールの人々は日本を支援するために一生懸命働いています」と述べています。「ネパールのミツマタがなければ、新しい紙幣を生産することはできなかったでしょう。」カンポウの社長、松原氏の発言。
なんとびっくり、新しいお札がネパールと日本のつながりを作っていたなんて!
長くこの紙幣使用され、ネパールへの良い協力関係が長く続くことを祈ります。
みなさんも新しい紙幣を見る度ネパールを思い出してくれたら嬉しいです。
写真、参考記事:How Japan’s newest yen note came from the Nepali mountains
https://edition.cnn.com/2024/07/02/business/japan-yen-note-nepal-paperbush-intl-hnk/index.html